こんにちは!今日は、マンギスというとてもかわいい果実、別名「白いおしりの妖精*1」を紹介しようと思います。インドネシアで初めて食してから、これはいつの日か紹介せねばならないと密かに写真を撮りためていた果実です。断食明けの食事としてチラッと写真を載せたことがあるのですが、しっかりと記事にしたことがなかったので、この機会にがっつり調べて書きたいと思います。
個人的にマンゴーを凌ぐ、ベストオブ果実inインドネシアのマンギスです。
マンギス/マンゴスチンとは
マンギス/Manggis・マンゴスチン/Mangosteenとは、東南アジア原産の果実の一つです。マンギスはインドネシア・マレー語、マンゴスチンは英名のMangosteenをカタカナ読みした日本での通名となります。東南アジア原産で有名な果実といえば、ドリアンですが、そちらを「果実の王様」と呼ぶのに対し、マンギスは「果実の女王」とも呼ばれるようです。つまり、東南アジアははドリアン王とマンギス女王によって支配されているわけです。王国民は食物供給的な面で完全に甘やかされていますね、はい。こんなおいしいものを食べられる時期が毎年来るなんて本当に・・・羨ましい。
この果実はリンゴのように樹になるのですが、マンギスは雌だけで繁殖できる単為生殖が可能な植物なので、何世代も雌のクローンが生まれ続けているため他の品種がないそうです*2 。
また、痛むのがとても早く生で輸出されることはほとんどありません。ちなみにマンゴーなどの熱帯果実は沖縄などであれば日本でも栽培が成功していますが、マンゴスチンだけは現在まで成功していないそうです*3。そのため日本で生の新鮮なマンギスを手に入れるのは本当に難しい。しかし、現代は冷凍輸送の技術が発達しているので、冷凍されたものが輸入されることもあるようです。
味は、すっごいおいしい。ライチ・ランブータンを程よくすっぱくして味を整え、その果汁をたっぷりすいこませたとても柔らかい果肉が、大きな種の周りに纏わりついている。そんな感じです。甘さと酸味のバランスが奇跡、そういう人工的なグミ・ゼリーとかにありそうな味が、自然に創りだされた!みたいな感じです。グミの実って、すごく小さいけど美味しいじゃないですか、それがもっと大きくなって果肉が柔らかく白くなった感じです。それか、ブドウの果肉がもっとほろほろになって、果汁を倍くらい含んでいて、渋みが一切ない、甘さと酸味だけがあふれ出す感じ。
つまり、ライチとランブータンとグミとブドウが合わさった味のいいとこどり、酸味と甘みのバランスがパーフェクトで、果肉と果汁がすごいたっぷりあるってことです。美味しい。
インドネシアでは地域によって少しずつ果実のみのる季節が異なるのですが、おおよそ11月から3月くらいまでがマンギスの季節とされています。*4
正直私の感覚ですと、去年の5-6月のジャワ島で新鮮なマンギスを食べていた記憶があるので、島によって相当季節にずれが発生すると考えておいた方がよいです。国内それぞれの地域に運搬されることも多く、バリ島・ジャワ島間などではそれぞれの季節に果実などのやり取りをしているイメージがあります。5月頃にジャワ島で食べていたマンギスはバリから運搬されたと聞いた記憶があります。
ちなみに、バリ島では、8月頃にスーパーに並んでいました。バリ島でももちろん人気の果実ですから、島外から頻繁に流入してくるのだと思います。インドネシア以外では、タイやマレーシアなどでも生産されていますが、実は一番多くの生産量を誇っているのはインドのようです。
値段は、Rp.25,000~Rp.45,000/kgぐらいで販売されていることが多いです。Rp.50,000/kgまで上がってしまうとかなり高いイメージです。リンゴなどがRp.25,000/kgなので、通常でもやはり少し高級な果実という位置づけです。(値段も高いのですが、皮が厚いので実質の食べられる部分で計算してみると本当に高いと思います。)
ちなみに上記写真のマンギスは先日(2019年2月中旬)にスーパーに並んでいたものを撮ったのですが、見てわかる通り、蔕(へた)が明らかにしぼんでくたびれてしまっています。5つ買ってみて、4つ腐ってました・・・。後述するお尻の部分だけでなく、蔕の部分の新鮮さもかなり重要です。とにもかくにも、新鮮なものを狙ってください!
とにかくかわいい形
マンギスの一番の魅力、それはもちろん味がおいしい!ということもあるのですが、食べる前にこのフォルムをみてください。なんですか、このファンタジックな形!RPGに出てくる魔法果実みたいじゃないですか?私がマンギスを大好きな理由の一つに、この形のかわいさがあるんです。
このヘタのまるさ、萼(がく)なのか、葉っぱなのかよくわからないんですが、なんでこんなにまるいのか・・・・。
自然界にこんなデザインの果実が存在しているってことを私は一人でも多くの人に知ってもらいたいんだ・・・・。
ちなみに、以下画像のおしりの部分をみると腐ってないかなどの状態がわかります。痛むのが早いので店頭に綺麗に並んでいても、開けたら中が腐っていたー!ということもしばしばあるので気を付けてください。
皮が固くなっていたり、この部分から黄色いうんこものが漏れていたら、中がダメになっている可能性が高いです。これはなにも漏らしていないので、きっとおいしいです。
白いおしりの妖精
食べる際には、横から、手のひらで挟んで強く押すと分厚い皮がメリメリっと開いて、果肉が出てきます。
この真っ赤な果肉を覆う皮の色素は、布などを染める染料として使用されることもあるらしく、一度手に着くと中々取れません。もちろん服などの布に付着した場合は絶望的なので気を付けてください。
そして、そう、この果肉を横から見ると、おしりに見えるのです・・・。
白いおしりの妖精・・・・・
まとめ
- マンギスは本当に珍しい
- RPGに出てくる魔法の果実みたいな形をしているし、雌のクローンが生まれ続けているとかいう単為生殖のできるSFチックな植物だった。
- かわいい、そして、おいしい。果実のいいとこどりみたいな味がする。
- 染料になったり、化粧品に使われたりする。
- 「白いおしりの妖精」って呼んでいたけど「果実の女王」っていうもっと立派な通名があった。
以上、私の大好きなマンギス/マンゴスチンの記録でした!
調べてみたら、なんと生のマンゴスチンがタイから輸入されているようです。お値段もびっくり!!
〇インドネシア(ジョグジャカルタ)の美味しいものなど、食べ物についての記録は
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