こんにちは!今回は、ジャワの伝統秘薬「ジャムゥ」についての記録第二弾!ジョグジャカルタのジャムゥカフェに行ってみた記録です!
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ジャムゥの記録第一弾【ジャワの伝統秘薬】JAMU/ジャムゥという魔法のポーション【生薬】では、主にジャムゥおばさんと既製品ジャムゥについての記録だったのですが、その後、ジョグジャカルタにあるジャムゥカフェに行ってきました!
ジャムゥカフェでは、好きな時に、自分の症状にあったピッタリのジャムゥを調合、提供してもらうことができます。ジャムゥおばさんや既製品よりも豊富な種類のジャムゥを見つけることができます。
カフェでは、毎日通っているというおねぇさん(ジャムゥを素早く飲み干し去っていった)や、のんびりとおしゃべりをしているおじさんたちなどに会うことができ、インドネシア、ジョグジャカルタの人々の生活にジャムゥが深く根付いていることを感じました。
ちなみに私は、ジャムゥカフェ巡りをしている間、胃もたれ気味(高熱を出したのちの薬による胃炎?)の症状を各ジャムゥカフェで訴えていたため、毎回似たような苦みのあるジャムゥを処方されました(お腹が痛いなら病院に行ったほうが良いというアドバイスをくれたジャムゥカフェの店員さんもいましたが(笑))。処方されるジャムゥを飲み続けた結果、その症状は治まりました。また食欲も戻ってきたため、ジャムゥの効能を実感している今日この頃です。
そんなわけで今回は、ジャムゥの記録第二弾、ジョグジャカルタの人々の生活に深く根付くジャムゥ、彼らの健康を支えるジャムゥカフェについて記録したいと思います!
ジャムゥとは
ジャムゥとは、古くからジャワ島の民間に伝承されている植物生薬です。その歴史は長く、ジョグジャカルタの仏教寺院、世界遺産でもあるボルブドゥール寺院にはすでに、ジャムゥを調合する女性の姿が描かれているといいます。
現在ジャムゥを扱うひとびとは医者ではありませんが、古くは医者的な立ち位置にあった治療師、魔術師だったと考えられています。Jamuの語源となったといわれる古ジャワ語のJapa,Jampiには、「薬」という意味のほかに「魔法」という意味、「祈り」という意味があったようです*1。
ジャムゥ調合の知識は、中部ジャワに栄えた王国の知識人の中で語り継がれていたと言います。そうした治療薬の調合知識は、一部の王家や民間に残されることになります。そして、現在もジョグジャカルタの街中で見かけるジャムゥ売りのおばさんやジャムゥカフェとなって残っているのです。西洋医学が発達した現在でも、伝統的な治療薬、あるいは予防療法/健康法として、ジャムゥは人々の生活に根付いています。
ジャムゥカフェで購入できるもの
調理済みのジャムゥ
ジャムゥカフェでは、調合調理済みの様々な種類のジャムゥを症状に合わせて提供してもらえます。自分のお気に入りのジャムゥを直接注文することもできますし、体調を相談しつつ決めてもらうことも可能です。調理済みのジャムゥは一杯から購入でき、その場で飲むことができます。苦いジャムゥには、口直しのJawa Gula(ジャワ砂糖)を付けてくれることもあります。(上記写真の小さいグラスはJawa Gulaです)
ジョグジャカルタにはこうしたジャムゥカフェがいくつか存在します。ジャムゥカフェに通い、ジャムゥを飲むことを日課にしている人もいるようです。メニューを掲げ、値段を表示しているカフェもあります。
- 調理済みジャムゥ(グラス):Rp.5,000~
調合済みのジャムゥの材料/素
家に持ち帰って自分で煮詰めてジャムゥを作るための調合済みの生薬セットや、粉末状になったインスタントジャムゥを販売していることもあります。液体の調合・調理済みジャムゥは日持ちしないため、自分の体調に合わせて飲み痛いときにすぐ飲める、作れる、ジャムゥの材料やインスタントジャムゥはとても重宝します。体に合うジャムゥを見つけたら、自分自身へのお土産として購入するのもありかもしれません。
- インスタントジャムゥ:Rp.12,000~
- 生薬セット:Rp.20,000~
ジョグジャカルタのジャムゥカフェ
Jamu Godhog Kahas Jogja
ジョグジャカルタ郊外北部にあるジャムゥカフェ。国内インドネシア人観光客などをターゲットにしているため、値段や効能が詳しく記載されたメニューが用意されています。また、駐車場も大きいので車で行っても問題はありません。
レストランと併設されているので、普通の食事もできます。粉末状のインスタントジャムゥと調理前のジャムゥの材料セットなども売っています。店内では味見を兼ねて、ジャムゥをグラスで購入することも可能です。
Jamu Ginggang
ジョグジャカルタ市内南部に位置するジャムゥカフェ。生卵を混ぜたスタミナジャムゥもあり(しかし、インドネシアの生卵はお腹を壊しそうなイメージがあるので、かなり勇気が必要なメニューだと個人的に思いました・・・。)。
店内には飲食スペースが設けられており、テーブル席に座ってジャムゥを楽しむことができます。お腹が痛いなら病院に行ったほうが良いというアドバイスをくれた店員さんがいたカフェです(笑)
Jamu Jawa
Jamu Ginggangと同じエリア、ジョグジャカルタ市内南部にあるジャムゥカフェ。カフェというより、ジャムゥスタンドといった方が良いかもしれない。とても狭い店内には、ジャムゥのツボがずらりと並んだカウンター、そして4つの椅子があるだけ。調理前の調合済み生薬も売っている。週一でオーナーが健康セミナー的なことをやっているらしい(怪しい(笑))。ジャムゥのクオリティは、一番良かったような気がします(純粋な生薬って感じの味でした)。
おすすめのジャムゥカフェ
今回は、三つのジャムゥカフェにお邪魔しました。ジョグジャカルタにはほかにもジャムゥカフェが存在するようなので、探してみても面白いと思います。(上記に挙げたその他のカフェもGoogle Mapで検索すれば、すぐ出てきます)。
もし観光などでちょっと立ち寄るのなら、若干遠いですが郊外にあるJamu Godhog Kahas Jogjaがお勧めかなと思います。インスタントジャムゥ、ジャムゥの材料(生薬)、調理済みジャムゥのグラス売りの三種類のジャムゥが揃って売っていたのはここだけでした。(粉末状のインスタントジャムゥ(お湯に溶かすだけでジャムゥができる粉末)は、ここでしか売ってませんでした)。
Jamu Godhog Kahas Jogjaの場所
ちなみにこのエリア(ジョグジャカルタ郊外北部)は、観光エリアに負けない魅力的な穴場が多く集まる場所です!本ブログでも紹介したSAARAH DAYS SPA本店と、Filosofi kopi Jogjaもこのエリアにあります。
ジャムゥに関する注意事項
ジャムゥ記録第一弾【ジャワの伝統秘薬】JAMU/ジャムゥという魔法のポーション【生薬】でも触れたように、ジャムゥを騙った違法/無許可薬物が検挙されるという事件も起こっていますので、気を付けてください。
そして、ジャムゥは生薬ですので、一度にいろいろな種類、多量に摂取することはできません。異なる種類のジャムゥを摂取する場合は、2~3時間あけるなど注意が必要です。ものにもよるようですので、ジャムゥを販売、調合している人に確認するようにしてください。(個人的には、一日一種類、一杯で十分だとおもいます)
まとめ
- ジョグジャカルタにはジャムゥカフェが各地に存在する。
- それぞれのカフェで微妙に調合や種類が異なる(味も異なる)
- 毎日通ってジャムゥを飲んでいる人もいる。
- 私の胃痛は治って、食欲も出た。
- 「病院に行ったほうが良い」というアドバイスをもらうこともある。(ジャムゥは、予防療法であるととらえている人も多い。)
- 多種多量摂取は厳禁。
- 用法容量を守って、ジャムゥを楽しんでください。
以上、ジョグジャカルタのジャムゥカフェに行ってみた記録でした!
▼いまは珍しいBatuk(椰子殻)でジャムゥを飲めるマリオボロのバティック/お土産屋さん
▼ジャムゥの記録、第一弾はこちら
▼もっと詳しく専門的にジャムゥを知りたい方はこの本がおすすめ
*1:『ジャムゥ:インドネシアの伝統治療薬』1988年:高橋澄子