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Biar anjing menggonggong, kafilah tetap berlalu. インドネシアでひとを研究しているある院生の備忘録。

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Go-JeckとGrabはインドネシアの生活必需アプリ【解説と使用上の注意】

(✿✪‿✪。)ノコンチャ♡今回は、インドネシア的日常をがっつり支えるお役立ちアプリの紹介です。とはいっても、この白タク配車アプリGo-JekとGrabは、ずいぶん前から有名で、日本語で使用方法を解説したブログなども複数見かけます。

 そのためこの記事では使い方の説明ではなく、この白タク配車アプリシステムがインドネシアで爆発的に普及した背景とそれに伴って起きた社会現象などについてまとめようと思います。加えて、そうした社会背景やシステム的側面から指摘できる使用上の注意なども記載しますので、ぜひ参考にしていただいて便利なインドネシアンライフをお楽しみいただければ幸いです。

この記事は、2019年2月に投稿した「近年のインドネシアで爆発的に普及し人びとの生活を変えたアプリ(2019年版)【GoJeck, Grab, Traveloka, Shopee, WhatsApp】」の一部内容を加筆修正し一つの記事として再構成したものです。

日常生活をぐんと便利にした白タク配車アプリ:Gojeck, Grab

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Go-Jekのロゴは2019年に新しいものに変更されました

 Go-JekとGrabは、2015年くらいから爆発的に広まった交通系アプリです。インドネシアで使用できる白タク配車アプリは主に2つあります。

  1. GO-JEK Indonesia
  2. Grab indonesia
  3. Uber Indonesia*1

 Gojeckはインドネシアの会社、Grabはマレーシアの会社が提供しています。Uberは日本にも参入しているアメリカ発祥のサービスです。最近ではUber Eatsなどが日本でも有名になりつつあるようですね。

 Uberを知っている方は、「白タク」というと自動車の白タクを思い浮かべると思うのですが、実は東南アジアでは自動車ではなく、バイクのタクシーが呼べるのです。

なぜインドネシアではバイクの白タクが普及しているのか?

 タクシーといえば自動車を真っ先に思い浮かべてしまいますが、インドネシアなどの東南アジアではもともと「オジェック」と呼ばれる個人バイクタクシーが存在していました。こうしたバイクタクシーは、自動車のタクシーに比べてとても安価です。市場から帰宅する主婦や学校帰りの小学生などが日常的に利用する移動手段でした。

 しかし、こうしたバイクタクシーは完全個人、身元もなにもわからない通りすがりのおっちゃんが道を歩いてると突然「オジェック!!!」と声をかけてくるというようなシステムです。 あるいは、オジェック・ポスというオジェックの溜まり場(レストランや市場の出入り口)で暇つぶしてる待機しているおっちゃんに声をかけて乗ります。

 値段も自力で交渉するため相場を知らなければ何倍も高い値段を取られますし、ベチャと言われる自転車タクシーよりもスピードが出ます。なによりはたから見てオジェックなのか個人で二人乗りをしているのかわからない…ちょっと路地裏に入られたらと思うと怖すぎる…

 地域をよく知らない人間、 少し裕福なインドネシア人家庭の女の子、留学生にとってはなかなかハードルが高い地域密着型移動手段、それがもともとのバイクタクシー「オジェック」です。

 そのためインドネシアで開発されたアプリは、もともとのバイクタクシー「オジェック」をもじって、「ゴージェック(Go-Jek)」という名前になっています。

個人バイクタクシーオジェックを組織化するアプリの登場

 そんな個人バイクタクシーオジェックを組織化するアプリが、Go-Jeck, Grabです。このアプリの登場で、インドネシアの路上交通状況は一変しました。

 アプリは地図アプリと連動し、自分の居場所、目的地の情報を入力しオーダーを出すと、GPS情報を利用して近場で待機しているオジェックドライバーにアプリを通して連絡がいくという仕組みになっています。そしてアプリ内チャットを使用(2018年実装、それまでは個人の電話番号のみでやり取り)し、現在地を確認するとドライバーに迎えに来てもらえます。

 こうした白タク配車アプリの画期的だった点として、以下の4点を主に挙げることができます。

Check!
  1. アプリ登録するドライバーにGO-jeck/Grabという社名を載せたドライバー用の緑色のジャケット、及び乗客用ヘルメットという装備の義務化(従来のオジェックはノーヘルなんてこともしばしば)
  2. アプリを使用するドライバーの身元確認のために、KTPと呼ばれるインドネシア版マイナンバーの登録 *2を求めた
  3. ドライバーが運行に使用するバイクナンバーの登録を求めた
  4. 会社が定めた料金に従って走行距離から賃料を算出し、オーダー前の画面で支払い料金を確認できるようにした

  アプリ運営会社によるドライバーの登録制システムによって、従来のオジェック使用の際に感じていた不安要素がかなり取り除かれることになりました。そして、従来オジェックを使用していなかった中流層を取りこむことに成功。また、客と運転手を結びつけるシステムによって需要の取りこぼしがなくオジェックドライバーの収入が格段に上がるというドライバー側のメリットもあるので、登録するドライバーも急増しました*3

 そしてあっという間にインドネシアの都市部(特に異常な渋滞が引き起こされ車移動は地獄になる地域)で爆発的に普及したのです。

タクシーだけじゃない!食事もマッサージも、お掃除メイドさんも手配できる!

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Go-Jekのホーム画面に並ぶメニューアイコン

 Go-JekとGrabのアプリでは、様々な機能とサービスが追加され続けています。ここでは例として、Go-Jekのサービスを紹介します。(GrabよりもGo-Jekのほうがサービスの種類は豊富です)

  • Go-Car(自動車版白タク配車)
  • Go-Food(出前サービス)
  • Go-Send(近距離宅配)
  • Go-Massarge(マッサージ師の派遣!)
  • Go-Clean(お掃除屋さん派遣)
  • Go-Pulsa(インターネット経由の携帯プリペイドチャージ)等々・・・

 Go-Clean(お掃除)やGo-Massarge(マッサージ)などの生活系サービスは、Go-Lifeという別のアプリから手配することができます。私が日常的に使用するのは、Go-Ride, Go-Car, Go-Food, Go-Massargeですね。

 Go-Cleanは、メイドさんを雇うわけにはいかないけど、お掃除がめんどくさい!という時にとても良いツールだそうで、ジャカルタの駐在ママさんたちの中でも評判のよう*4です。

Go-Jekアプリ内でGo-Payを使うと運賃が割引される

 Go-Payとは、Go-Jekアプリの中で使用できる電子マネーです。インドネシアには現在様々電子マネーが普及していますが、おそらくもっとも使い勝手の良い電子マネーのひとつです。Go-Jekアプリ内で使用すると大幅に運賃が割引されるので使わない手はありません。小銭を用意しなくてよいし、インドネシアあるある「おつりがない!」に悩まされる心配もなくなります。

 Go-PayはもともとはGo-Jekアプリ内という使用範囲が限定された電子マネーでした。しかし、近年、実店舗でもGo-Payの使用が可能になり、Go-Payを使用することでキャッシュバックが受けられるキャンペーンなども実施されています。

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ジャカルタの空港にはGo-Payしか使えないマッサージチェアがあります。

 Go-Payは、インドネシアの銀行から送金するか、ドライバーに現金を渡してチャージすることができます。クレジットカードでのチャージはできません。Grabというもう一つのアプリでは、OVOという別の電子マネーが使用できます。

▼OVOについて(主にOVOポイントについて)調べた際の記録は以下です。

www.gulamerah-weblog.com

 正直、インドネシアの電子マネーは種類がおおくそれぞれの利便性もいまいちなので、私はGo-Payくらいしか使っていません。(Go-Payは便利ですよ)

▼ジャカルタの空港にはGo-Payしか使えないマッサージチェアがあります。

www.gulamerah-weblog.com

バイクタクシー配車アプリが巻き起こした社会現象あれこれ 

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緑のヘルメットをつけた客を乗せて走行するGo-jeck

 ここ数年で爆発的に普及し、インドネシアの日常生活の必需アプリの地位を確立したGo-JekとGrabですが、普及に伴って様々な問題や社会現象を引き起こしています。

 一部では、渋滞を悪化させる要因となっていると批判されたり、学校や駅前での客待ちが通行の妨げになるということで禁止されたりしています。ここではデモという形で社会現象化した事例を紹介します。

バイクタクシーアプリ登録者による賃上げデモ

 数年前にGojeckの運転手さんにどれくらいマージンをとられるのか聞いたところ、どうやらジャケットとヘルメットは「レンタル」らしくそのレンタル料と走行賃料の25パーセントが会社の方に取られているそうです(2017年時点)。

 ジャカルタではGojeckドライバーが賃料の値上げを本社に要求するデモ*5 が起きています。ジョグジャカルタでもストライキが起きたことがあり、なにも知らないでオーダーをかけたら一時間たっても迎えが来なかったなんてことも・・・。

 インフレが激しいインドネシア、ガソリン代が上がってアプリの賃料がそのまんまだったら、がくんと売り上げ下がってしまいますし、物価も上がれば生活が苦しくなりますもの。一時期(初期)、Rp.3000(約25円)/kmだった時は、さすがに安すぎて私も心配になりました。今は、地域にもよりますがRp.6000(50円)/kmくらいになりました。

 最近は、需要が増える時間帯には混雑料金が導入されるなど、次々にシステムが変わっています*6。会社の方も頻繁にキャンペーンを打ち出して集客に力を注いでいますし、ジャカルタなんかでは公務員並みに稼ぐドライバーもいるみたいで、今のところ労働者利用者共にWinWinな環境を提供してくれているアプリという印象です。

 ちなみにGrabを使ってみるとなぜかGo-jeckより綺麗なバイク・車が配車されることの多い印象です。おそらく、Grabの場合は登録の時点でRP.30,0000(約2700円)ほどの元手(登録料+ヘルメット、ジャケット の購入代)が必要なため、ある一定の経済力がある人が登録することが多いからだと思われます。(Go-jeckはアプリ内での報酬天引き制度なので、元手がほとんどかからず、バイク一つと身ひとつで始められます)

競合する業種の労働者(タクシー、ベチャ、アンコック等)による反発

 移動手段として競合する従来のタクシー、ベチャ(人力車タクシー)、相乗り小型バスの運転手たちにとって、Go-jeckやGrabなどのオンライン配車システムの参入は、その収入に大打撃を与えました。一時は、オンラインタクシーを排除しようとする動きも見られ、各地でデモが行われました。

 現在では、Go-jeckはインドネシア旅行の際にもおすすめされる優良タクシー会社ブルーバード、Grabは東インドネシアを中心に営業しているBosowaと提携を始め、オンライン配車アプリ排除の雰囲気は収まりつつあります。

 個人の携帯電話で登録が可能なので、おそらく会社には黙ってGo-jeckに登録しているタクシーの運転手なんかもいます。Go-Carを呼んだらタクシーが来たなんてことはざらにあり、格安でブルーバード乗れちゃうこともあります。

Check!

 しかし、各都市の空港周辺やバリの観光中心部などは、いまだに古参タクシードライバーやタクシー会社の縄張り意識が非常に強く、オンライン配車アプリの送迎を禁止している地域もあります。

 Go-jeck/Grab禁止区域にオンライン配車アプリのドライバーが侵入し、古参タクシー会社のドライバーとの間で殴り合いのケンカが始まることもあるようです。

 オンライン配車アプリを使う時は、禁止されている地域でないかよく確認してから使用しましょう。

オンライン配車アプリを使用する際の注意

 上記で挙げたように、オンラインタクシー禁止区域や、地元の競合業種労働者とのいざこざを避けるほかにもいくつか使用する際に注意しなければならいことがあります。

  1. インドネシア語ができないと運転手ともどもパニックに陥ります。
  2. なぜか運転手がアプリの道順に従わず迷ったり、GPSが狂っていたりすることもあります。自分でgoogle Mapなどを開いて道順を確認する、正直初めて行く場所に使用しないほうが無難です!
  3. 個人情報(登録した電話番号や住所)の扱いについても、注意が必要です。
    電話番号が連動しているチャットアプリ(下記に紹介するWhat's Up等)でセクハラまがい(ワンチャン狙い)のメッセージが届くことがしばしばあります。特に女性は要注意。自宅の前に呼びつけてしまえば相手には、電話番号のみならず住所も知られてしまいます。危険な目に遭わないように自己防衛をする必要があります。 

 

対策
  1. 通常使用していない予備の電話番号を登録する(インドネシアの携帯SIMは安い、200円ぐらいで買える)。
  2. 自宅の前に呼ぶのではなく、少し離れた大通りなどからオーダーを出す(大通りで待機しているドライバーも多く、複雑な道順を説明しなくて済むので、一石三鳥)
  3. 深夜から早朝にかけてにひとりで利用しない。

 基本的にあちらも客商売(評価システムもあり)なので、愛想よく、「ありがとう!」とかちょっと知ってる日本語を話してくれたりもするので楽しいこともあります。

 しかし、何度も繰り返し脅してるみたいになってますが、すでにこれら白タクアプリを経由した性犯罪*7が起きているのも事実です。
 あまりにも到着に時間がかかったオーダーをキャンセルした時に、SMSで直接「Kamu Anjing!!!!ANjiiiiiiing!!!!!!!(犬畜生が!!!!!!)」って送ってこられたときはホントに怖かったです。

事件や事故に巻き込まれないように

 Go-Foodで引きこもり生活を満喫している私は、住所については諦めてます。ただ、寮自体が二重の門、セキュリティのおじさん・お兄さん、住み込みお手伝いさんが24時間いるちょっとお高めの女子寮に住んでます。日本でも女性の一人暮らしは危険がいっぱいですけど、インドネシアでも同じです。ですが、海外という環境にいると言葉が不自由な分、文化や慣習が異なる分、危険を察知する能力が三歳児並みになっていることを自覚して生活するべきだと思います。

 また、事故った時のためにも海外旅行保険や留学保険には必ず加入していってください。値段は高いのですが、個人的には「東京海上日動」がおすすめです(インドネシアでのキャッシュレス提携病院が多い、対応が丁寧、極力支払う方向で話を進めようとしてくれます。素晴らしいです)。保険などに関しては、また別途、記事をまとめたいと思っています。

まとめ

  • Go-Jekがあるだけでインドネシア生活の質はぐっと上がる。
  • バイクというローカルな移動手段は、じつは渋滞を避けられるので効率的です。
  • インドネシア語ができるとより安心。
  • 事故や犯罪に巻き込まれないように細心の注意が必要。

以上、インドネシア的日常をぐっと楽しく便利にしてくれる交通系アプリについての記録でした。ローカルなアプリを使いこなして、よりよいインドネシアンライフをお楽しみください!

▼そのほかインドネシアンライフに役立つおすすめアプリをまとめました。

www.gulamerah-weblog.com

 

*1:元々普及率が低くジャカルタなどの一部都市でしか見かけなかったのですが、2018年に撤退したようです。参考:9 April, Aplikasi Uber Tidak Bisa Dipakai Lagi di Indonesia

*2:友人や兄弟のアカウントを使用している人に遭遇することもありますが・・・

*3:都市部では現在、新規登録を中止している場合もあります

*4:過去の悩みを無きものにする存在。GO Clean | ジャカルタ駐在Diary◆◆◆

*5:Go-Jek dan Grab Naikkan Tarif Ojek Online, Mana yang Lebih Murah? - bisnis Tempo.co http://po.st/y0xy2g

*6:昨年、ポイント制度が改悪されてしまったのは残念でした

*7:Sopir Online Mengaku Berniat Perkosa Penumpang karena Cantik   | indopos.co.id https://www.indopos.co.id/read/2018/02/14/127548/sopir-online-mengaku-berniat-perkosa-penumpang-karena-cantik



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