(✿✪‿✪。)ノコンチャ♡今日はバリの話題です。先日、人生5回目、二年ぶりとなるバリ旅行に行ってきたのですが、バリの現地タクシー事情が以前よりずっと初見殺しな状況に変化していたので、注意喚起を兼ねて記録しようと思います。
海と高級ホテル、格安スパなどがインドネシアで一番充実しているバリはインドネシア国民にとってもあこがれのリゾート地です。しかし、魅力も多ければ危険も多いのが観光地の怖いところ。言葉ができても、現地のルールを知らなかったり、「よそ者」認定されてしまえばインドネシア人でさえ割高な請求をされるのがバリです。ましてや言葉もお金の数え方もよくわからない外国人となれば、その請求が法外なものになることもしばしば…。できる限りの危険を回避していただきたく、情報をシェアします。この情報を活用して、バリの思い出を素敵なものにしていただけたら幸いです。
バリ島のタクシー事情はインドネシア国内でもかなり特殊
バリ島のタクシー事情は、インドネシアの他の地域に比べてかなり特殊な状況になっています。基本的に街中で流しをしているのは、ブルーバードか、(ブルーバードのふりをした)ローカルタクシーしかありません。
他の地域では、「ローカルタクシー」の会社が存在し、ブルーバードタクシー以外でも、ローカルタクシー会社を使用すればぼったくりや危険な目にあうという可能性はかなり低いです。
ジョグジャカルタ:Rajawaliラジャワリ(深緑の空港タクシー/カウンター前払い制)、Vetri Taxi(空色の病院付近にいるタクシー/メーター)等*1
スラウェシ各都市:Bosowaボソワ(青色、空港にもいるタクシー/メーター)*2
しかし、バリにおいてブルーバードタクシー以外のタクシーは、「ローカルタクシー」と呼ばれますが、彼らは会社を持たずに営業している「白タク」です。
バリにも空港タクシーとして登録され空港に待機しているタクシー会社がありますが、基本的に彼らは空港内で客を乗せ、ホテルに送った後はまた空港に戻ってしまいます。(ちなみに、いくつかのブログで空港メータータクシーの90k(Minimum/最低価格)のルールを、メーター+90kと紹介している場合がありますが、それはぼったくり価格であり、正規の価格ではありません。しかし、あまりにもその方法でぼったくる運転手が多く、会社も見て見ぬふりをしているため、ぼったくりが常習化している状況です)
バリの空港タクシーについての情報は、南国うまうま日記さんの以下の記事の情報がおおよそ正しいと感じました。また、空港メータータクシーの運転手が定額よりも安い「定額」を提示してくることもあったことを追記しておきます。
以上の記事にも言及されているように、「ローカルタクシー」こと無登録・無許可「白タク」が空港に出没することもあるようです。空港にブルーバードタクシーは入れないため、空港ではタクシーをカウンターから手配するようにしましょう。
バリで「ローカルタクシー」を拾うとどうなるか
私はインドネシア国内に長期滞在しており、特に私が日常的に暮らしているジョグジャカルタはインドネシア国内で最も物価が安い地域です。そのため、インドネシア語は日常会話に支障がない程度に理解できますし、インドネシアの平均的な物価(私にとってはすでに高い)を把握しています。
それでも、バリのローカルタクシーにのるとメーター通りの支払いで満足されたことは一度もありません。黙ってお釣りを返さずに降ろされたこともあります。早朝料金として50kを上乗せされて請求されたこともあります(飛行機の出発前で時間がなかったので、払いました)。
これが物価の相場を知らない外国人観光客だとどうなるか・・・・私の友人の知人は、新婚旅行でバリに訪れ、正規メーター料金なら100k~200kで済む区間に2Juta を請求されたと言います。(100k(700円)~200k(1400円)→2Juta(1万5千円)、なんと10倍もの運賃を請求されています)
インドネシアの月給平均並みの金額を請求されて払ってしまったわけです。日本のタクシー料金と比べてもかなり高額です。
さらにこうした「ローカルタクシー」は、会社に所属せずに営業しているいわゆる「白タク」です。お金の損失で済めばよいですが、暴行されたりする可能性もあり、さらに運転手の身元が不明のため犯人確保には時間がかかります。もちろん連絡先も不明のため、忘れ物をしたら二度と手元に戻ってこないでしょう。
バリの街中でぼったくりや危険な目にあう可能性が低いタクシーを拾うためには、ブルーバードの本物を探す必要があります。
本物のブルーバードタクシーの拾い方
ブルーバードタクシーの本物と偽物の見分け方はそこまで難しくないのですが、比較的治安が良いと言われ、ブルーバードタクシーが禁止されていないスミニャック地区でも、路上を走る8割が偽物という状態なので、本物を探すのにものすごく時間がかかります。
そんな時には、My Bule Birdというブルーバードタクシーの公式アプリを使用すると便利です。あっという間にブルーバードタクシーを呼ぶことができます。インドネシア国内、ブルーバードが進出している地域んらどこででも使用できるので、大変便利です。
しかしバリ島でのブルーバードタクシー探しは、アプリを使用しても難航する
アプリを入れてさえしまえば、本物のブルーバードタクシーを指先で手配することができます。無敵ですね・・・・といかないのが、最近のバリなのです。
裏でどういった政治・金の動きがあるのかはわかりませんが、「ローカルタクシー」を使え!!!という圧力が大変高まっているために、バリ島の様々な地域でブルーバードタクシーの使用が事実上禁止されていました。
禁止地域をリストアップしてくれているブログなどもあるようですが、実際この禁止区域は、法律や条例で決められていることではないため、不確定な情報(状況)と言わざるをえないのです。
この禁止の背景には、「ローカルタクシー」による猛反発があると言われていますが、このような小競り合いは今に始まったことではないのです。2010年にはすでに、外国人観光客を巻き込んでの暴力事件が起きています*3。
暗黙の禁止区域チャングーでブルーバードを拾った話
ブルーバードタクシーアプリも、Go-Jekアプリも使用できる状態だった私は、滞在していたスミニャック地域から少し遠出をし、チャングーの新しくできたナチュラルコスメショップを目指しました。近くにあったレストランがものすごくおしゃれで、ナチュラルコスメもお手頃な値段、良い香りのものを手に入れて、上機嫌で帰路につくことにしました。そして、ブルーバードタクシーアプリを開き、オーダーを発信します。
しかし、オーダーをかけても「Finding・・・・(検索中・・・)」の表示が永遠に続きます。しびれを切らして、バリのブルーバードタクシーセンターに直接電話をしました。
しかし、アプリには周囲に待機しているはずのブルーバードタクシーのアイコンが見えます( ^ω^)・・・辺りも暗くなってきましたし、少し不安になってきたその時、すぅーと一台のブルーバードタクシー(本物)が目の前を徐行してきました。
友人と共にドアを開けて運転手に行き先を告げようとした途端、すごい剣幕で「Cupat,Cupat!!!(早く早く!!!)」と叫ばれました。
助手席と後部座席それぞれに友人と共に乗り込むと、ドアを閉め終わらないうちに運転手は発車します。一瞬の出来事に、なにが起きたかわからない私たち。しばらくすると、運転手に「日本人?」と聞かれます。そうだ、と答えるとやっぱりといった感じで続けました。
どうやらそのブルーバードタクシーは、クタ方面からチャングーに客を送り届けた帰りだったようで、遠目に私たちが路肩でウロウロしているのを見ていたそうです。日本人はブルーバードタクシーを使うのが好きだとわかっていたので、(ローカルタクシーに見つかるリスクをわかっていて)私たちの前を徐行してくれたそうです。
ブルーバードタクシーの運転手も、ローカルタクシーの運転手が怒るのを恐れていて、客を拾うことに「Tidak Berani(怖気づいている)」とのこと。もし、(ローカルタクシーによる実効支配的)禁止エリアで、ブルーバードタクシーを拾いたければ車道のぎりぎりに立って、素早く乗り込む必要があるみたいです・・・。まるで、スパイ映画です。というか、タクシーのドアを開けて叫ばれた時の緊迫感がすごかったです。
ブルーバードタクシーのオフィスはこうした禁止区域について説明してくれない
こうした「禁止区域」についてブルーバードタクシーのオフィスから直接説明されることはなく「渋滞で行けない」などとごまかされたことからもわかるように、このようなルールは明文化されたものでも、承諾されたものでもなんでもなく、ただ単にローカルタクシーの運転手が攻撃してくるために発生している状況だということがわかります。
そして、そのような暴行事件に我関せずを突き通すバリ警察と政治家、明らかになにか裏があるとしか思えないのですが、とにもかくにもこのような状況では胸を張ってバリを旅行先にと友人にオススメすることもできません。
さらに私が何度も繰り返してお伝えしたいこととして、このような白タクの暴走を野放しにされているバリの状況は、インドネシア国内でもかなり特殊であるということです。インドネシアの他地域にもそれぞれタクシー覇権争いがあるものの、誠意ある姿勢で営業を行っているローカルなタクシー会社がそれなりに存在しています。正直、インドネシア国内でもバリのタクシー状況は、最悪の部類に入ると思います。
(つまり何が言いたいかというと、インドネシア全体のイメージとしてこのバリの治安の悪さをイメージして欲しくないのです。)
バリタクシーでぼったくり・危険な目に合わないために
私たちは結果として、Beraniな(勇敢な)ブルーバードタクシーのおかげで正規料金100kでチャングーからスミニャックに戻ってくることができましたが、バリになれていない観光客が知らぬ間にブルーバードタクシー禁止区域に出かけてしまうという可能性はかなり高いのではないかと思います。(ちなみにウブドでのブルーバードタクシー禁止などはとても有名ですが、そもそも繁華街から遠い山の上なのでツアーで行く人が多いエリアだと考えられます)
バリで安全に楽しく、心地よく移動をするためには正直もうタクシーは使えないというのが今回のバリ旅で得た感想です。なにせブルーバードタクシー禁止区域は、暗黙の暴力を含む実効支配によって確立しているものなので、一時滞在の観光客にはいつどこの地域が禁止区域となるか(なっているか)全く予想がつかないからです。
以下にバリでの移動が安全にスムーズに行く対策を考えました。バリ旅行にお出かけの際はぜひ参考にしてください。
①ツアー会社を利用する
車での移動が必要になる場合は、迷わずツアー会社を利用しましょう。目的地が決まっているツアーにも、自由時間があれば運転手さんやガイドさんにリクエストすれば、時間の都合(渋滞状況)などを考慮して大丈夫であれば、連れて行ってくれる場合もあります。一日フリーのチャーターカー(日本語ガイド付き)なんてプランもあります。
有名な観光地であれば、スケジュールに予定されなかった観光先でも、知識のあるガイドさんが日本語で説明してくれる可能性が高いです。ツアー会社には、HIS, JTBなど有名な日本の会社もありますし、Bali Tour'sのようなインドネシアの会社(社長は日本人?)もあります。
特に、ベルトラという現地ツアー専門サイトでは、様々な会社のオプショナルツアーを目的地やツアー内容ごとにまとめて検索することができます。とても便利なので私もよく使用します。
いろいろなツアー会社が様々なプランを販売しているので、いろいろ探してみるとピッタリのプランが見つかると思います。
ちなみに貧乏旅がしたいなら、インドネシア国内でも物価が最も高いリゾート地のバリはお勧めしません。バリよりも安くて安全な地域はいくらでもあります。
②ホテルは大通りに近く歩いてショッピングができる場所を選ぶ
ホテルから徒歩でマッサージやショッピングに出かけることができれば、退屈もしませんし、歩いて移動することによってこまごまとしたバリの風景を楽しむことができます。ガイドブックに載らないような小さなレストランのような穴場を見つけることができるかもしれません。歩きで移動できる範囲に、お店があれば移動手段の心配もないです。
③(例え日本語ができたり日本人でも)知らない人についていかない
幼稚園児の遠足でも言われていることなので、大丈夫だと思いますが、異国の地で自分の母語を話す人間に遭遇すると心を許しそうになりますよね。ダメです。日本で、「日本語ができるから安心」と知らない人についていきますか?行きませんね?ダメですよ。言語ができようが、日本国籍だろうが、インドネシア国籍だろうが、悪い人はいくらでもいますよ。
まとめ
- バリは魅力も多いけど、危険も多い
- タクシールールは初見殺し
- 観光客として短期滞在するならタクシー使わないプランでいいと思うよ
- ツアーもいっぱい楽しくて安全なものがいっぱいあるよ
- バリ楽しいよ
以上、バリのタクシー事情が難しすぎる!という注意喚起を含めた記録でした。よいバリ旅を!
*1:Daftar Nomor Telepon Taksi di Yogyakarta - Tribun Jogja
*2:ちなみにマカッサルでは、ブルーバードタクシーにぼったくられたことがあります笑